失った5年、気付いた5年
2023年6月1日
ご無沙汰しております、東証全部退場です。
私事ですが、昨年度付で電気通信大学を中退しました。
現在はフルタイムのアルバイトで生活しています。
この記事では入学からの5年間を振り返り、学んだことや後輩に伝えたいことを記していきます。
5年間振り返り
2018年前学期 入学
2018年に前期試験で東北大に落ち、後期試験で電気通信大学に入学しました。
自分の学力からひとまわり下の大学に受かったということで、正直舐めてかかっていました。
先輩から口酸っぱく言われる「人脈を作れ」という言葉にも耳を貸しませんでした。
最大手のサークルに入っておけば大学の情報は手に入り、自助努力でどうにでもなる。そう思っていました。
それが大きな間違いだったのですが。
2018年後学期 鬱発症
不調をきたし始めたのは前期の終わり頃からでした。
前期の授業は出席やレポートに関しては概ねこなせていましたが、テスト科目に関しては勉強不足でほとんど単位を落としました。
その後、だんだん大学に行けない、家から出られない、部屋から出られない、ベッドから動けない、と段階的にひどい鬱状態に陥りました。
一番ひどい時期には寮の食堂に向かえず、何とか1日1回コンビニに向かい食事を得る毎日を送っていました。
そんな状態で後学期が始まってしまい、単位を全部落としました。
2019年 大学へ行こう
なんとかしないといけない。でも何故授業に出られないのか分からない。
当時の私は「大学に向かうことで改善する」と考え、サークルの部室に入り浸る作戦に出ました。
部室に5連泊した挙句痔になって帰ったこともありました。
ただこの目論見は外れ、大学に行けても授業には出られない1年間となりました。
ここで留年が確定し、奨学金が止まりました。
2020年 仕事をしてみよう
2020年度のサークル部長に立候補し当選しました。
丁度コロナ禍に祟られ、サークル史上初めて新入部員に恵まれない新歓を体験しました。
ここでの創意工夫や仕事を割り振るマネジメント技術、そして事務メールをシュババババと書く能力は人生の糧になっています。
部長としての責は全うしたつもりですが、肝心の授業には出られていませんでした。
2021年 他所の授業に出てみよう
親の勧めで自動車学校に入学しました。
ここで授業に出る習慣と免許を取る成功体験を得ようという魂胆です。
結果、自動車学校の出席はしっかりでき免許の試験も一発で合格しました。
ただし大学の授業には復帰できず。
2022年前学期 専門家に話を聞こう
進級のリミットが迫る中一切復帰の兆しが見えない4年間。
このまま自分の創意工夫ではどうしようもないと考え、学外のカウンセリングに通い始めました。
今までも2回ほどカウンセリングを受けたことはありましたが、具体的な相談に乗ってくれず直ぐに辞めてしまいました。
しかし今回の先生は復学に向けて具体的な相談に乗ってくれ、「自分の課題は自己マネジメント能力の欠落である」ということで当時ハマっていた紙手帳でタスク管理を徹底することにしました。
これがかなりうまくいき、1年前期に取り逃がしていた単位をほぼ回収しました。
2022年後学期 拭えなかった諦観
しかし異変はすぐに始まりました。
最後に受ける期末考査を体調不良で延期し追試を受けることになったのですが、夏休みに掛かるくらい日程が伸び、その間にモチベーションが下がり追試を欠席してしまいました。
そして後学期が始まっても不調は続き、ついに卒業可能性の掛かった単位を落としてしまいました。
妹の大学進学もあり実家から自立する必要があること、そしてもし退学するなら早いほうがいいという考えから、2022年度付で退学申請を出し、受領されました。
なにがいけなかったのか
他人に迷惑を掛けることを恐れてしまった
先ほど1年前期はテスト科目以外問題なかったと言いましたが、ひとつ例外がありました。
電気通信大学では基礎科学実験という悪名高き激重実験が1年次に課されます。
私の頃は学期ごとに10回実験をし、翌週までにレポートを紙で提出することになっていました。
9回目の実験までは順調にこなせており、10回目のレポートも期日までに書き上げました。
しかし提出当日に10回目のレポートを紛失してしまいました。
締切厳守と煩く言われていた私はその場で諦めてしまい、来年に再履修することを選びました。
向こうから提示された決まりは絶対と信じ、先生方に迷惑を掛けないために単位すら放り投げてしまいました。
発達障害に起因する強い諦観
私は幼少期からトゥレット症候群という発達障害を患っています。
自分の意図に反して断続的な体の動きや発声が出てしまう症状です。
自分の制御できない行動のせいで多方面に迷惑を掛け、理不尽も受けてきました。
そこで自分が身に着けたのが「辛いことを全て受け流してしまう」という生き方でした。
トゥレットによる諦観は寛解した後も体から離れず、「今日明日だけ頑張れば試験が何とかなる」という状況で踏ん張れない、そして試験で赤点を取る、という状況がずっと続きました。
これにあと1年早く気付いていれば何とかなったかもしれませんが、現実には卒業可能性を失いました。
中退カスなりに後輩に伝えたいこと
大学生という「人に迷惑を掛けていいラストチャンス」を存分に活用しろ
大学生のうちは自分のことを一番に考えましょう。
誰かへの迷惑を恐れて自己犠牲を払う必要はありません。
正直私は他人をダシに好成績を取る同級生を目の敵にしていましたが、彼らは院推薦に受かり私は高卒という結果を見ればどちらが正解だったかという話です。
大学は卒業した方が明らかに良い
私は今フルタイムのアルバイトで生活していますが、最低賃金に毛が生えた程度の給料です。
その癖覚えることは並みの社会人くらい多いのです。
こうなってしまったのは全て大学を中退したことによるものです。
大学での学びに満足できなかった、大学の方針に不満だ、そういった理由で退学しようとする後輩を幾らか見てきましたが、やめた方がいいです。
理想の大学生活でなくても頑張りましょう。学部は卒業しましょう。
大学落ちても人生終わらないが、大学受かっても普通に人生終わる
受験界隈によくいるのが「第一志望に落ちたから人生が終わった」と考える人です。
言わずもがなそんな訳ありません。
しかし。
大学に入った暁に何をしたいのか。
特定の分野を学びたいのか。
サークル活動に打ち込みたいのか。
はたまた就職予備校として見ているのか。
ここを見誤ると簡単に道を踏み外します。
大学に受かったから人生が安泰とは思わない方がいいです。
タラタラ語ったけど結局何が言いたいんや
妹が今年大学に進学したのですが、私より大真面目な性格であるため、我流の自助努力で潰れてしまわないか物凄く心配でした。
そこで「失敗した人間」として妹に助言できることはないか、とあれこれ考え内容をまとめ、折角だからブログ記事にしてしまおうという動機でこの記事を書きました。
手を抜け、とは言いませんが、力を抜けるところで抜いておかないとバテてしまいます。
大学生の方々、今は他人より自分を大切に生きてください。